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BtoBコンテンツマーケティングの失敗しない進め方や種類を紹介

2025年06月26日

  • BtoBマーケティング
  • マーケ知識

はじめに
BtoBコンテンツマーケティングは、企業間取引において重要な手法ですが、成功をおさめるためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。
本記事では、BtoBコンテンツマーケティングについて、ユーザファーストのコンテンツ作成から効果的な社内体制の整備まで、失敗しない進め方を解説します。

 

そもそもコンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングとは、直接商品を売り込むような広告ではなく、価値ある情報を「コンテンツ」として提供し、それを利用したマーケティング活動を指します。
コンテンツマーケティングでは、見込み顧客や既存顧客とコミュニケーションを取りながら関係性を築き、顧客のニーズや関心に応じた情報を提供することを重視します。
たとえば、コラムやホワイトペーパー、動画、電子書籍などを通じて、リード獲得や顧客満足度向上を図ります。
コンテンツを通じて見込み顧客を引き寄せ、信頼関係を構築することで、最終的な購買につなげることが目的です。

 

BtoBコンテンツマーケティングの役割

BtoB(企業間取引)のコンテンツマーケティングの主な役割は、見込み顧客を最終的にサービスを導入する顧客、受注につなげることです。このプロセスは「マーケティングファネル」と呼ばれ、一般的には「課題認知」→「興味・関心」→「比較検討」→「申込・購入」という流れを辿ります。
マーケティングファネルでは、まず見込み顧客が自身の課題を認識し、それに対する解決策を探すことから始まります。
次に、提供されたコンテンツを通じて興味や関心を引きます。
その後、詳細な情報を提供することで比較検討を促し、最終的には具体的な申込や購入に至る、というのが一連の流れです。
ただし、BtoBの取引ではBtoC(消費者向け取引)と比較して、成約に至るまでの期間が長くなる傾向にあります。これは企業間の取引が一般的に高額で複雑であり、検討段階で複数のステークホルダーが関与し、顧客企業側でも慎重に判断が行われるためです。
そのため、顧客との関係維持のためにも継続的なコンテンツ配信が重要です。定期的に価値ある情報を提供し続けることで、見込み顧客の信頼を獲得し、長期間にわたる関係性を維持することが求められます。継続的なコンテンツマーケティングは、顧客との信頼関係を深め、最終的な成約率を向上させるための効果的な手段です。

 

BtoBコンテンツマーケティングの必要性

現在、市場と顧客の双方で大きな変化が生じています。市場側の変化としては、全体的に市場が成熟し、多くの商品でコモディティ化(商品やサービスの価格が市場で同時に提供され、市場価格が低下すること)が進んでいます。これにより、価格競争が激化し、商品の差別化が難しくなってきています。
一方、顧客側の変化としては、多様な方法で情報を得るようになり、インターネットを利用した商品比較が一般的になっています。
また、顧客は押し売り的な広告に対し、拒否感を抱く傾向が強まっているのも変化のひとつです。
このような状況の中で、コンテンツマーケティングは非常に重要な役割を果たします。コンテンツマーケティングの活用により、潜在層の顧客を獲得し、商品そのものではなく、価値あるコンテンツを提供することで差別化を図れます。
具体的には、企業が運営するコラムやWebサイトを通じて情報発信する方法が多く採用されていますが、最近ではさらに多様なアプローチが可能になっています。
直接的に商品を訴求するのではなく、顧客にとって有益な情報を提供し続けることで、長期的に信頼関係を築き、最終的な購買へとつなげることが可能です。

 

BtoBで活用できるコンテンツマーケティングの種類

BtoBコンテンツマーケティングにはさまざまな手法があり、目的やターゲットに応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
ここからは、代表的なコンテンツマーケティングの種類を紹介します。

 

オウンドメディア

企業が自ら運営するコラムやWebサイトを通じて、情報コンテンツを配信する手法です。インターネットを通じて、情報コンテンツや事例コンテンツを提供することで、検索者のニーズに応えます。これにより、見込み顧客の獲得につながる効果が期待できます。
ただし、メディアを立ち上げただけでは、効果はすぐに現れるわけではありません。検索キーワードで上位を獲得するためには、SEOの知見が必要です。とくにBtoBビジネスでは、情報の質を高めるために、専門的な知識や業界特有の情報を含んだコンテンツが求められます。
たとえば、業界動向や技術的な解説記事、具体的な事例紹介などが効果的です。
オウンドメディアは現在のマーケティング手法としては一般的ですが、これだけに囚われず、ほかの方法も併用しながらのさまざまなアプローチが必要になります。

 

SNS・動画配信サイト

X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどのSNSや動画配信サイトで情報を提供するのも、手法のひとつです。これらはオウンドメディアとの親和性が高く、見込み顧客を双方向で回遊させることが可能です。
たとえば、SNSで集客し、オウンドメディアでコンバージョンを狙うこともできます。
BtoBでは、製品デモやウェビナーのライブ配信、業界の専門家との対談動画などが有効です。これにより、業界の専門知識をアピールし、信頼性を向上させます。

 

ホワイトペーパー

企業サイトやオウンドメディアからダウンロードできるホワイトペーパーも、非常に効果的な手法です。ダウンロード時に企業名、部署名、担当者名などを入力してもらうことで、これらの情報をもとに企業からアプローチが可能になります。
BtoBでは、詳細な技術資料や市場分析レポート、導入事例集などの提供により、ターゲットに対して深い知識と洞察を与えることが可能です。

 

メールマガジン

メールマーケティングも効果的な手法のひとつです。自社の商品やサービスについて発信でき、登録情報をもとに発信内容をパーソナライズすることで、リード獲得やコンバージョンにつなげられます。
BtoBでは、業界ニュースや技術アップデート、ケーススタディなどを含むニュースレターが効果的です。特定の業界や業種に合わせたパーソナライズドコンテンツを提供することで、高いエンゲージメントの獲得が期待できます。 メールマガジンについてはこちら(メールマーケティングとは? 種類やメリット、実施方法を解説 )を参照ください。

 

BtoBコンテンツマーケティングの進め方

BtoBコンテンツマーケティングは、長期的な視点で計画的かつ戦略的に進めることが重要です。
以下の流れに沿って進めることで、効果を最大限に引き出せます。

 

1. 課題抽出・目標の設定を行う

まず、コンテンツマーケティングを利用して何を達成したいのか、その目的を明確にすることが重要です。
たとえば、リードの獲得や顧客のエンゲージメント向上、ブランド認知の向上など、具体的な目標を設定します。そして、その目標達成に向けて、どのような課題があるのかを明確にし、営業部門とマーケティング部門が協力して課題を抽出し、目標を設定することが求められます。
とくにBtoBビジネスでは、顧客の購買プロセスが長く複雑であるため、各ステークホルダーのニーズを正確に把握し、営業部門とマーケティング部門が協力して課題を抽出し、目標を設定することが重要です。

 

2. ペルソナを設定する

次に、ペルソナを設定します。ターゲットとなる顧客を単純に設定するだけでは幅が広すぎるため、架空の人物(ペルソナ)を詳細に描くことで、より適した戦略を立案できます。
ペルソナ設定の要素としては、年齢や、性別、役職、年収、国籍、居住地、顕在ニーズや潜在ニーズなどが含まれます。
BtoBでは、企業の規模や業界、役職、購買プロセスにおける役割など、具体的な業務上のニーズや課題を詳細に設定することが有効です。
さらに、担当者と決定権のある役職者など複数のペルソナを作成し、どのように意思決定されていくかを設計しておくことでカスタマージャーニーの解像度を高められます。

 

3. カスタマージャーニーを作成する

具体的なペルソナを設定したら、自社の商品やサービスがどのように認知され、購入に至るのかをマップに起こして可視化することが重要です。このマップの内容は認知、訴求、調査、行動、推奨の5つのポイントに沿って作成され、一連の流れを旅路にたとえて「カスタマージャーニー」と呼びます。カスタマージャーニーを作成することで、顧客の行動や心理状況、購入プロセスなどを把握できます。
カスタマージャーニーでは、購買プロセスの各段階における顧客の行動や心理状況を意識し、どのような課題を抱えているのか、何を知りたいのか、次の段階に移行するためのトリガーやボトルネックは何かを明確にします。
とくにBtoBは購買プロセスが長く、複数の決裁者が関与することが多いため、各ステークホルダーの役割や関心を詳細に反映したカスタマージャーニーを作成することが重要です。 カスタマージャーにマップについてはこちら(カスタマージャーニーマップとは? 作り方やメリット、事例を紹介 )を参照ください。

 

4. コンテンツ作成・配信を行う

カスタマージャーニーを作成したら、設定したペルソナに適したコンテンツ配信方法を決めます。オウンドメディア、SNS、動画配信など、さまざまな方法がありますが、ペルソナに合致した配信方法を選ばなければ、顧客の目に触れることはありません。
配信方法を決めた後は、それらに合致したコンテンツを作成します。
BtoBでは、業界動向や技術的な情報、専門家のインタビュー、事例研究、ホワイトペーパーなど、ターゲット企業にとって価値のある専門的なコンテンツを作成・配信することが重要です。

 

5. KPI設定・効果測定を行う

最後に、目標達成に向けて進捗を評価するKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定します。
とくにBtoBのマーケティングでは、見込み顧客の獲得に関する活動が売上に直結するため、KPIを設定し、成果を可視化することが重要です。 一般的なKPIの目標例としては、認知拡大を図るためのPV数や検索順位、リード増加を目指すリード獲得数、具体的な成果を示すCV数や資料ダウンロード数などがあります。それぞれのKPIに具体的な数値と期限を設け、「〇月〇日までに〇%達成」というような目標を設定します。

 

これらのステップを通じて、計画的かつ戦略的にBtoBコンテンツマーケティングを推進することで、十分な効果が期待できます。

 

失敗しない! BtoBコンテンツマーケティングのポイント

BtoBコンテンツマーケティングを成功させるためには、顧客のことを第一に考えた情報提供と、長期的な検討期間を見据えた社内体制の構築が必要です。コンテンツマーケティングを打ち出す際の望ましい考え方や、必要な準備について具体的に解説します。

 

ユーザファーストなコンテンツを作成する

BtoBのマーケティングにおいて最も重要なことは、ユーザファーストの姿勢で顧客に寄り添った価値のある情報を提供することです。顧客がどのような悩みを抱えているのか、その課題や状況をしっかりと理解し、自社のサービスや製品がその解決にどう役立つのかを考えたうえで情報を提供します。
たとえば、業界の最新動向や実際の事例を交えた解説記事を提供することで、顧客の信頼を得ることができます。たとえすぐに売上につながらなくても、次回の検討時や別の機会に選んでもらえる可能性があるため、顧客の課題解決に寄り添う姿勢が非常に重要です。

 

社内体制を整える

BtoBコンテンツマーケティングでは、リードの獲得から受注に至るまでの期間が長くなる傾向にあります。また、検索者が必ずしも決裁者であるとは限りません。
そのため、リード創出から受注に至るまでの全体の流れを認識し、適切な社内体制を整えることが必要です。
具体的には、マーケティングチームがウェビナーやホワイトペーパーなどを活用してリードを獲得し、育成するプロセスを確立します。成熟したリードは営業チームに引き継がれ、商談を担当します。この流れをスムーズにするために、部門間の連携を強化する仕組みを構築することが重要です。
こうした体制を整えることで、リードが適切に育成され、最終的な受注率の向上が期待できます。
BtoBコンテンツマーケティングを成功させるには、ユーザファーストを意識しつつ、計画的かつ継続的に活動を行うことが求められます。これにより、顧客に価値ある情報を提供し、信頼関係を築くとともに、長期的な成果を目指すことが可能になります。

 

まとめ
BtoBコンテンツマーケティングを成功させるためには、ユーザファーストなコンテンツを作成し、顧客の課題解決に寄り添う姿勢が重要です。
また、リード獲得から受注までの長期的なプロセスを見据え、社内体制を整えることも求められます。
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この記事の執筆者

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株式会社セラクCCC

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