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Salesforce AppExchangeとは?活用メリットや利用例、おすすめアプリを紹介

2025年07月29日

  • Salesforce

はじめに

Salesforceを自社で導入しているものの、Salesforce AppExchangeについてはよく知らない、活用方法がわからない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、そのような悩みのある企業担当者や、Salesforceの導入を検討しているという方に向けて、AppExchangeの概要や活用メリットを解説します。あわせて、利用例も紹介しているので、Salesforce導入効果を最大化するのに役立ててください。

 

Salesforce AppExchangeとは

Salesforce AppExchangeとは、Salesforceの機能を拡張するためのアプリを販売しているマーケットプレイスです。営業支援・マーケティング・顧客管理・データ分析など、さまざまな業務に対応するアプリがそろっており、企業は自社のニーズに応じて最適なツールを選べます。厳格な審査を通過し、一定のセキュリティ基準を満たしているアプリが公開されているため、安心して利用しやすいプラットフォームです。

 

Salesforce AppExchangeを活用するメリット

AppExchangeの活用には、以下のようなメリットがあります。

 

  • ・Salesforceの利便性が高まり業務の効率化につながる
  • ・新規のシステム導入・開発と比べてコストを抑えられる
  • ・アプリ自体の安全性が高くセキュリティ対策が容易である

 

Salesforceの利便性が高まり業務の効率化につながる

Salesforceには、取引先管理などの営業支援、マーケティングの自動化などの機能が搭載されています。しかし、企業によって必要なサービスは異なるため、それらに細かく対応するためにAppExchangeが用意されています。
AppExchangeでは、自社特有の業務プロセスに特化したアプリを追加することが可能です。これにより、Salesforceの標準機能はさらに利用しやすくなり、業務の自動化や効率化が叶えられる点がメリットのひとつです。
AppExchangeのアプリは、Salesforceと他の基幹システムや外部ツールとの連携を強化する役割も果たします。たとえば、会計システムやマーケティングオートメーションツールなどとSalesforceを連携させることも可能です。さまざまなデータを一元管理し、より高度なデータ分析や効率的な情報活用を促進します。

 

新規のシステム導入・開発と比べてコストを抑えられる

AppExchangeで提供されているアプリを利用すれば、ゼロからアプリやシステムを開発する費用や期間を削減できる点もメリットです。AppExchangeには、無料または低価格で利用できるアプリが豊富にそろっています。サブスクリプションモデルのサービスもあるため、必要な機能を必要な期間だけ利用する、試しに使ってみるということもでき、初期費用を抑えられるのも利点です。

 

アプリ自体の安全性が高くセキュリティ対策が容易である

Salesforceでは、AppExchangeのアプリに対して厳格なセキュリティレビュープロセスを実施しています。セキュリティレビューを通過したアプリのみが公開され、リリース後も定期的なアップデートやセキュリティパッチが適用されているため、安心して利用できます。一定水準以上のセキュリティ対策が講じられたAppExchangeアプリの利用は、自社のセキュリティポリシーを維持しやすいというメリットもあります。

 

Salesforce AppExchangeの利用例

ここでは、以下のビジネスシーンにおける、主な利用例を紹介します。

 

  • ・セールス
  • ・マーケティング
  • ・カスタマーサービス
  • ・その他

 

セールス

Salesforceでは、セールス活動を効果的に行うために以下のようなアプリが使われています。

 

名刺管理 名刺情報をデジタル化し、顧客データベースと連携させ、迅速な顧客対応を実現する
販売管理 商品やサービスの在庫、価格、売上データを一元管理し、販売計画の策定や分析を容易にする
日報管理 営業活動を効率的に記録・共有する機能を提供し、チーム全体での情報共有を促進する

 

他にも、営業担当者の割り当てを自動で行うテリトリー管理、見込み顧客の行動トラッキングによる高度なリード管理など多彩なアプリが利用可能です。

 

マーケティング

マーケティング目的で利用できるAppExchangeアプリには、以下のようなものがあります。

 

MA(Marketing Automation) リードの育成や顧客セグメントの分析、自動化されたキャンペーン運営を支援する
メール配信 顧客ごとにカスタマイズされたメールの一斉配信や、メールマーケティングの効果測定を簡単に行える
アンケート配信 顧客満足度調査や市場調査のためのアンケート作成と配信をスムーズに行える

 

AppExchangeのアプリは、イベント管理やコンテンツマーケティングなど、企業のニーズに応じてマーケティング施策に活用されています。

 

カスタマーサービス

カスタマーサービスの質を向上させ、効率化を図るためには以下のアプリが活用されています。

 

CTI(Computer Telephony Integration) 電話システムをSalesforceと統合し、顧客の応対履歴をリアルタイムで参照することで、対応スピードと正確性が向上する
応対履歴の管理 顧客とのやり取りの履歴を一元管理し、チーム全体での情報共有を促進する
FAQ・チャットボットの管理 簡単な顧客の質問にはチャットボットで対応し、複雑な問題は人間の担当者に引き継ぐことで効率化を図る

 

高度なナレッジ管理、AI活用などは、顧客満足度を高め、サポート業務の効率化に役立っています。

 

その他

上記以外にも、多種多様なアプリが提供され、利用されています。たとえば、以下のようなアプリがあります。

 

BI(Business Intelligence)ツール データを収集・分析し、ダッシュボードで視覚化することで、より正確な意思決定をサポートする
ファイル共有ツール 資料やデータを安全に管理・共有することで、チーム間のコラボレーションをスムーズに進められる
人事・会計・ERP 勤怠管理や経費精算、請求書管理を効率化し、バックオフィス業務の負担を軽減する

 

これらは特定の業務領域に強いことが多く、各業務のビジネスプロセスの改善や効率化の促進を可能にします。

 

Salesforce AppExchangeの選び方

AppExchangeで自社に最適なアプリを見つけ出すために、いくつかの重要なポイントを紹介します。

 

  1. 1.自社の課題・導入の目的を明確にする
  2. 2.予算に合ったアプリを選定する
  3. 3.アプリのレビューや開発元の評価を確かめる
  4. 4.実際の使用感を確かめる

 

1.自社の課題・導入の目的を明確にする

このステップで自社にとって必要な機能を絞り込むことにより、アプリ選びの基準が明確になります。

 

  • ・自社の課題や導入目的を具体的に洗い出す
    現在の業務フローを見直し、「どの業務が効率化を必要としているか」「改善すべきポイントはどこか」を特定し、具体的な業務ニーズを明確化します。

 

  • ・導入によってどのような効果を期待するのか
    たとえば、「リード生成を30%増加」「顧客対応を迅速化する」といった具体的な目標を設定することで、アプリ選びの方向性を絞り込めます。

 

  • ・アプリ選びの軸を定める
    必要な機能や予算、導入の容易さなど、自社にとって最適なアプリを選ぶための基準を設定することで、業務課題に合ったアプリを効率よく選定できます。

 

2.予算に合ったアプリを選定する

Salesforce AppExchangeには、無料のアプリも含め、幅広い価格帯のソリューションが存在します。

 

  • ・有料アプリの場合、自社の予算と料金体系が合っているかを確認
    有料アプリを検討する場合は、初期費用、月額料金、または年間契約の条件を確認し、長期的な運用コスト(TCO)を見積もったうえでの選定が重要です。

 

  • ・必要な機能とのバランスを考慮
    オーバースペックなアプリを選ぶリスクを避けるため、機能が業務ニーズに対して適切であるか、コストに見合った価値を提供しているかを判断します。

 

3.アプリのレビューや開発元の評価を確かめる

ユーザーレビューや開発元の評価を確認し、アプリの信頼性や機能性をしっかりと見極めることも重要です。

 

  • ・実際にアプリを利用したユーザーのレビューや評価の確認
    レビュー件数や評価の傾向を確認することで、アプリの使い勝手や信頼性を判断できます。

 

  • ・アプリ開発元の企業情報やサポート体制の確認
    アプリの開発元が信頼できる企業であるか、また導入後に十分なサポートが提供されるかも事前に確認しましょう。

 

4.実際の使用感を確かめる

最終段階として、アプリを本格的に導入する前に、必ず実際の使用感を確かめます。

 

  • ・無料トライアルを利用して使用感を確認
    無料トライアルで、アプリが自社の業務フローに適合しているか、操作性に問題がないかを確認しましょう。現場で使用しづらいアプリは定着しづらいため、十分な検証が必要です。

 

  • ・テスト環境にインストールして評価する
    本番環境を模したテスト環境にアプリをインストールし、既存の業務フローやシステムとの連携に問題がないかを確認します。同時にチームメンバーからフィードバックも集めて、検討材料とします。

 

Salesforce AppExchangeのアプリ導入手順

ここでは、実際にアプリを探し、導入・検証するまでの流れを3つのステップに分けて紹介します。

 

  1. 1.AppExchangeマーケットプレイスにアクセスする
  2. 2.任意のアプリを検索する
  3. 3.テスト環境へインストールする

 

1.AppExchangeマーケットプレイスにアクセスする

まず、Salesforceにログインし、AppExchangeマーケットプレイスにアクセスします。

 

  • (1)Salesforceにログイン
    Salesforceのホーム画面にログイン後、クイック検索バーに「AppExchange」と入力すると、AppExchangeマーケットプレイスのリンクが表示されます。

 

  • (2)AppExchangeのホーム画面を開く
    「AppExchangeマーケットプレイス」を選択すると、AppExchangeのホーム画面に移動します。ここではカテゴリ検索やキーワード検索を利用して、目的のアプリやサービスを探せます。

 

2.任意のアプリを検索する

任意のキーワードか、ビジネスニーズや業種カテゴリから必要なアプリを探せます。

 

  • (1)アプリの詳細ページを確認
    各アプリの詳細ページでは、機能概要・価格・ユーザーレビュー・デモ動画などを閲覧することが可能で、アプリの特徴や効果、実際の使用感を具体的にイメージできます。

 

  • (2)「今すぐ入手」や「試してみる」をクリック
    導入したいアプリが見つかったら、「今すぐ入手」や「試してみる」ボタンをクリックして次の手続きに進みます。ただし、本番環境への直接インストールは避け、必ず事前にテスト環境へインストールするようにしてください。

 

3.テスト環境へインストールする

選定したアプリは、本番環境ではなく、必ずテスト環境(SandboxやDeveloper Edition)にインストールして動作確認を行います。本番環境で直接インストールすると、意図しない悪影響が発生するリスクがあるためです。

 

  • (1)インストールする環境を選択
    アプリの詳細ページで「今すぐ入手」をクリックすると、「このパッケージをどこにインストールしますか?」という選択画面が表示されます。このとき、SandboxやDeveloper Editionなどのテスト環境を必ず選択してください。

 

  • (2)インストール情報や利用規約を確認
    インストール前に表示される利用規約や設定内容を確認し、チェックボックスに同意して「確認してインストールする」をクリックします。

 

  • (3)権限を割り当ててインストール
    インストール時に管理者のみのアクセス権を割り当てることで、あとから必要なユーザーに権限を付与できます。

 

  • (4)動作確認を行う
    テスト環境でアプリが適切に動作しているか、既存システムや業務フローに影響がないかを確認します。この段階で不具合がないことを確かめたあとに、初めて本番環境へのインストールを検討します。

 

Salesforce AppExchangeのおすすめアプリ3選

ここでは、多くのユーザーから高い評価を得ており、さまざまなビジネスシーンで活用されているアプリ3タイトルを紹介します。

 

1.SmartVisca

SmartViscaは、株式会社サンブリッジが提供するSalesforce一体型の名刺管理アプリです。紙の名刺はもちろん、オンライン名刺やメール署名からも簡単に顧客情報を取得・登録でき、Salesforce上で一元管理できます。高精度のAI-OCRにより、名刺情報は短時間でデータ化され、外出先からでもすぐに顧客データにアクセスできます。手書きメモの読み取りにも対応しています。

 

参照:Salesforce AppExchange|SmartVisca(スマートビスカ)

 

2.MotionBoard Cloud for Salesforce

MotionBoard Cloud for Salesforceは、Salesforceのデータを視覚的にわかりやすく表現できるBIツールです。複雑なオブジェクト表や異なる軸のデータをひとつのダッシュボードに集約できるため、従来のSalesforceレポート機能では難しかった多角的な分析が可能です。Salesforce以外のExcelといった外部データとも連携でき、散在する情報を一元化して可視化できるのが大きな特徴です。

 

参照:Salesforce AppExchange|MotionBoard Cloud for Salesforce

 

3.Box for Salesforce

Box for Salesforceは、契約書や製品資料などのファイルをSalesforceのレコードごとに紐づけて保存・管理できるファイル管理系アプリです。営業資料や提案書などをチームで共同編集し、即座に顧客と共有することが可能で、業務のスピードと精度が向上します。スマートフォンやタブレットなど多様なデバイスからアクセスでき、社内外の関係者と安全にファイルを共有できる点も魅力です。また、容量無制限のクラウドストレージと高度なアクセス制御機能により、情報漏えいリスクにも強く、セキュアな業務環境を実現します。

 

参照:Salesforce AppExchange|Box for Salesforce

 

まとめ

Salesforce AppExchangeの概要から活用メリット、具体的な利用例、最適なアプリの選び方、導入手順までを解説しました。AppExchangeは、Salesforceの可能性を広げ、企業の業務効率化、コスト削減、生産性向上に大きく貢献してくれるマーケットプレイスです。AppExchangeを活用し、Salesforceを最適なビジネスプラットフォームへと進化させてください。
セラクCCCでは、Boxとの連携やアクセス権限の設計・設定を含むトータル支援を提供し、Salesforceの活用を最大限に引き出します。導入から運用まで専門チームがサポートし、業務効率化を支援します。

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この記事の執筆者

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株式会社セラクCCC

株式会社セラクCCCは、Salesforceをはじめとするクラウドシステムの定着・活用支援を担うカスタマーサクセス企業です。
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