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マーケティング戦略で使えるフレームワーク15種類を紹介

2025年06月25日

  • BtoBマーケティング
  • マーケ知識
  • 営業DX

はじめに

マーケティング戦略を立てる上で、問題を洗い出し、課題解決に導くフレームワークは重宝されます。
しかし、数多くあるフレームワークの中から適切なものを選ぶのは難しいかもしれません。
本記事では、フレームワークの重要性やメリット、注意点に触れるとともに、代表的なフレームワークについて解説します。

 

マーケティング戦略におけるフレームワークの重要性

フレームワークとは、目まぐるしく変化するビジネス環境を整理し、市場の重要な情報を分析するための枠組みを指します。
これにより、自社の強みや顧客ニーズを理解し、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。フレームワークは多種多様であり、目的や状況に応じて適切なものを選ぶことが重要です。
また、単一のフレームワークだけではなく、複数のフレームワークを組み合わせて使用する方法も有効です。
たとえば、「SWOT分析」と「PEST分析」を組み合わせた場合、外部環境と内部環境の両面に視点を置いて戦略を立てられます。

 

マーケティング戦略で使えるフレームワーク15選

「消費・顧客行動分析」「自社分析」「競合・環境分析」のシーン別にまとめた、マーケティング戦略に役立つ代表的なフレームワークは以下の通りです。

 

  • ・消費、顧客行動分析
    AIDMA、AISAS、AIDAS、マーケティングファネル、RFM分析、CTB分析

 

  • ・自社分析
    3C分析、4P分析、4C分析、STP分析、PPM分析、VRIO分析

 

  • ・競合、環境分析
    5F(ファイブフォース)分析、SWOT分析、PEST分析

 

AIDMA

AIDMA(アイドマ)は、「Attention(注意)」「Interest(興味)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の頭文字を取った、伝統的な消費者行動モデルのひとつです。消費者がどのように商品・サービスを認知してから購買に至るかを段階的に示しています。

 

Attention:商品・サービスを認知する

Interest:認知した商品・サービスに興味をもつ

Desire:興味をもった商品・サービスが欲しくなる

Memory:欲しい商品・サービスを覚える

Action:最終的に購入する

 

各段階における消費者の心理や行動を理解し、それに応じたマーケティング施策を策定できます。

 

AISAS

AISAS(アイサス)はインターネット時代、まさに現代の消費者行動モデルとして重要視されています。
「Attention(注意)」「Interest(興味)」「Search(検索)」「Action(行動)」「Share(共有)」の頭文字を取った言葉です。

 

Attention:商品・サービスを認知する

Interest:認知した商品・サービスに興味をもつ

Search:興味をもった商品・サービスの情報をインターネットで検索する

Action:検索した商品・サービスを購入する

Share:購入した商品・サービスをSNSなどで共有する

 

オンラインマーケティングにおいて、消費者がどのように情報を収集し、購買に至るかを理解できます。
しかし、共有された評価によって、新しい消費者の購買意欲が左右されかねないので注意が必要です。

 

AIDAS

AIDAS(アイダス)は、「Attention(注意)」「Interest(興味)」「Desire(欲求)」「Action(行動)」「Satisfaction(満足)」をまとめた、AIDMAの派生系フレームワークです。

 

Attention:商品・サービスを認知する

Interest:認知した商品・サービスに興味をもつ

Desire:興味をもった商品・サービスが欲しくなる

Action:欲しい商品・サービスを購入する

Satisfaction:購入後に満足する

 

消費者の購買プロセスだけではなく、購買後の満足度にも焦点を当てており、リピーターやロイヤルカスタマーを獲得するための施策に役立ちます。

 

マーケティングファネル

マーケティングファネルは、顧客が商品・サービスを認知してから、購入に至るまでのプロセスを表すモデルです。
「ファネル(Funnel)」とは、日本語で「漏斗(ろうと)」を意味し、プロセスが進むにつれて顧客の数が減少していく様子を表しています。

 

認知

興味や検討

比較や関心

購入

 

顧客が位置するプロセスを分析し、それに対して効果的な施策を打ち出せます。ただし、オンラインマーケティングが普及した現代では、必ずしもこのプロセスを辿らないケースがある点に注意する必要があります。

 

RFM分析

RFM分析は、「Recency(最新購入日)」「Frequency(購入頻度)」「Monetary(累計購入額)」の指標に基づいて、顧客を分析するフレームワークです。顧客の購買履歴をもとに、それぞれに効果的なアプローチを行えます。

 

  • Recency:顧客が最後に購入した日付=最近購入した顧客はより価値がある
  • Frequency:一定期間内の購入回数=頻繁に購入する顧客は忠実度が高い
  • Monetary:累計購入金額=総額が高い顧客は利益貢献度が高い

 

優良顧客の特定やリピーターの育成に有効ですが、高額な商品(例:自動車や不動産)には不向きな場合があります。

 

CTB分析

CTB分析は、「Category(カテゴリ)」「Taste(テイスト)」「Brand(ブランド)」の要素に基づいて、顧客を分析するフレームワークです。顧客をこれらの要素に分類し、購買傾向を予測します。

 

  • Category:顧客が好む商品を大分類と小分類にカテゴリ分け
  • Taste:顧客が好む色や形、サイズ、デザインなどのテイストを把握
  • Brand:顧客が好むブランドを把握

 

顧客の嗜好や購買傾向を理解し、ターゲティング精度を高めるための施策を打ち出せます。

 

3C分析

3C分析は、「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(企業)」をまとめた、企業分析の基本フレームワークです。これらの要素から、自社の内外の状況を総合的に分析します。

 

  • Customer:顧客のニーズ、動向、市場規模
  • Competitor:競合他社の状況、商品・サービスの比較
  • Company:自社の強み、弱み、イメージ、企業価値

 

自社を客観的に見つめ直せるので、戦略的な意思決定や競争優位の確立に役立ちます。

 

4P分析

4P分析は、マーケティング戦略の基本的かつ欠かせないフレームワークです。企業の視点において、「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション)」の要素から、商品・サービスを包括的に分析します。

 

  • Product:商品・サービスの特徴、市場への適合性
  • Price:市場を意識した商品・サービスの価格設定
  • Place:商品・サービスの流通経路、販売チャネルの確保
  • Promotion:商品・サービスの宣伝、販売促進活動

 

かつては4P分析が主流でしたが、時代の変化により、消費者の視点に立つ「4C分析」も、同様に重要性を増しています。

 

4C分析

4C分析は、「Customer Value(顧客価値)」「Cost(コスト)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」をまとめた、4P分析の消費者視点バージョンです。消費者の視点において、これらの要素をもとに自社の商品・サービスを分析します。

 

  • Customer Value:消費者が感じる商品・サービスの価値
  • Cost:消費者が支払う商品・サービスの価格設定
  • Convenience:消費者の商品・サービスの購入しやすさ
  • Communication:消費者への商品・サービスのアプローチ

 

4C分析と4P分析を併用することで、両者の視点からマーケティング戦略をより効果的に展開できます。

 

STP分析

マーケティング戦略の核となるSTP分析は、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の頭文字を取ったものです。これらの要素を分析して、ターゲットを明確にします。

 

  • Segmentation:消費者のニーズや特性に基づいて市場を細分化
  • Targeting:細分化された市場の中から最も効果的なターゲットを選定
  • Positioning:競合他社との差別化を図る、自社の商品・サービスの位置づけ

 

消費者のニーズを理解し、競合他社と異なる価値を提供するため、商品・サービスの開発やマーケティング戦略の改善が可能です。各要素を単体で考えると結果が矛盾するため、それぞれを関連付けて考えることをオススメします。

 

PPM分析

PPM分析は、市場成長率と市場占有率にもとづいて、自社の商品・サービスの状況を把握するフレームワークです。
PPMは「Product Portfolio Management」の略で、商品・サービスのポートフォリオを戦略的に管理することを意味します。自社の商品・サービスを以下の4つに分類します。

 

  • 花形:市場成長率が高く、市場占有率も高い
  • 問題児:市場成長率は高いが、市場占有率が低い
  • 金のなる木:市場成長率は低いが、市場占有率が高い
  • 負け犬:市場成長率が低く、市場占有率も低い

 

商品・サービスのポートフォリオが可視化され、戦略的な位置づけや資源配分を見直し、成長戦略を効果的に立案できます。

 

VRIO分析

VRIO分析は、自社の資源や能力を評価し、競争力を判断するためのフレームワークです。「Value(価値)」「Rarity(希少性)」「Imitability(模倣困難性)」「Organization(組織)」をまとめたもので、これらの要素から自社の資源や能力を分析します。

 

  • Value(価値):自社の資源や能力の価値や競争優位性
  • Rarity(希少性):競合他社がもっていない希少性
  • Imitability(模倣困難性):競合他社に模倣されない独自性
  • Organization(組織):自社の資源や能力を、組織全体で効果的に活用できる体制

 

自社の競争優位性をもつ資源や能力を明確にし、経営戦略に活かすための基盤を提供します。

 

5F(ファイブフォース)分析

5F(ファイブフォース)分析は、自社の競争要因となる脅威を分析するためのフレームワークです。以下の5つの要素が分析の対象となります。

 

  • 業界内での競争:競合他社の数や競争の激しさ
  • 新規参入の脅威:新しい競合他社が市場に参入する可能性
  • 代替品の脅威:消費者が代替品に移行する可能性
  • 買い手の交渉力:消費者の交渉力により利益が下がる可能性
  • 売り手の交渉力:供給者の交渉力により利益が下がる可能性

 

業界の構造と競争環境を深く理解し、競争力を高めるための戦略を立案できます。

 

SWOT分析

SWOT分析は、自社の内部および外部環境を評価し、戦略を策定するためのフレームワークです。「Strengths(強み)」「Weaknesses(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」の頭文字を取ったもので、これらの要素から自社の状況を分析します。

 

  • Strengths:競合他社に対して有利な内部資源や能力
  • Weaknesses:競争力を制約する内部の欠点や課題
  • Opportunities:外部環境に存在する、成長や成功のための有利な要因
  • Threats:外部環境から不利な影響を与える要因

 

新規事業などを立ち上げる際に、SWOT分析を効果的に活用することで、自社の強みを最大限に活かし、弱みを補完する戦略の策定が可能です。

 

PEST分析

PEST分析は、自社がコントロールできない外部環境を分析するためのフレームワークです。「Political(政治)」「Economic(経済)」「Social(社会)」「Technological(技術)」の頭文字を取ったもので、これらの要素から外部環境を分析します。

 

  • Political(政治):政府の政策、規制、法律の変化が自社に与える影響
  • Economic(経済):景気の動向、為替レート、インフレ率などの経済的要因が自社に与える影響
  • Social(社会):ライフスタイル、人口動態の変化が自社に与える影響
  • Technological(技術):技術革新、新技術の普及が自社に与える影響

 

外部環境の変化を把握し、リスクを回避しながら戦略を立案できます。

 

マーケティング戦略でフレームワークを使うメリット

フレームワークは、具体的な目標や優先事項を定義し、実行可能な戦略を策定する指標になります。導入により、マーケティング戦略を立案する際の基準を明確化できます。
既存のフレームワークを活用することで、新たに基準を作成するための必要な時間とコストを節約し、論理的かつ体系的に計画を立てることができます。
他者に戦略や計画を説明する際の共通語化も容易なため、チーム全体での共通理解が深まり、効率的な意思決定が促進されます。

 

マーケティング戦略でフレームワークを使う際の注意点

定められたフレームワークは、完全に自社のケースに当てはまるとは限りません。
あくまでフレームワークは枠組みであり、すべての状況に適用するのは困難なため、柔軟に調整しましょう。
また、フレームワークを導入する目的が単なる形式や手続きにとどまり、実際のアクションに結びついていないケースもあります。フレームワークは思考や戦略立案の支援ツールのため、分析結果をもとに具体的なマーケティング戦略を策定し、実行に移すことが求められます。

 

まとめ

数多くのフレームワークの中から、目的に応じた適切なものを選ぶことで、効率的なマーケティング戦略の立案が可能です。複数のフレームワークを組み合わせることで、深い洞察力も得られます。
もし、自社では実施が難しいと感じた場合にはセラクCCCにご相談ください。
セラクCCCはSalesforceの認定パートナーとして最高位のExpert 認定を取得しており、定着・活用支援においてトップクラスの実績と豊富な人材(コンサルタント)を有しています。
この豊富な実績から培ったノウハウを活かし、お客様のマーケティングを組織と人材の面から強力にサポートいたします。
また、お客様の状況に合わせて、リモートや常駐、運用の内製化など柔軟な対応が可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください

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この記事の執筆者

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株式会社セラクCCC

株式会社セラクCCCは、Salesforceをはじめとするクラウドシステムの定着・活用支援を担うカスタマーサクセス企業です。
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