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CRMを活用したマーケティングとは?活用方法や主な施策をご紹介

2025年06月18日

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はじめに
近年、「CRMマーケティング」という言葉を耳にすることが増えました。
しかし、CRMがどのようなもので、マーケティングにどのように活用できるのか、よくわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、CRMマーケティングの概要やマーケティングにおけるCRMの活用方法、CRMマーケティングの主な施策などについて解説します。

 

CRMマーケティングとは?

CRMマーケティングとは、顧客との関係性を構築・管理することで売れる仕組みをつくるマーケティング手法のひとつです。
まずは、CRMマーケティングの概要と、CRMと同様に顧客情報を集約・管理する「SFA」との違いについて解説します。

 

CRMマーケティングの概要

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。年齢や性別、商品・サービスの購入履歴、問い合わせ内容など、顧客に関する情報を一元管理することで、顧客のニーズに沿ったアプローチにつなげられます。
つまり、CRMマーケティングとはCRMを用いて顧客の趣味や好み、行動パターンなどを管理・分析し、それらを活用して効果的なマーケティングを行うことです。顧客のニーズに対応した施策を実施できれば、顧客満足度の向上やリピーターの獲得が期待でき、最終的に売上の向上に貢献します。

 

CRMとSFAの違い

SFAは「Sales Force Automation」の略で、営業活動支援システムとも呼ばれます。SFAはCRMと同様に顧客情報を集約・管理する機能がありますが、使用目的が異なります。CRMが顧客と企業の関係性強化を目的としているのに対し、SFAは営業活動の効率化を目的としています。
そのため、SFAには顧客情報管理機能以外に商談や日報管理、売上予測、書類作成機能など、営業業務の効率化につながるさまざまな機能が備わっています。

 

マーケティングにおいてCRMが重要視されている背景

これまでのマーケティングでは、大規模な広告を打ち出し、幅広い層の消費者に対して商品やサービスをアピールして新規顧客を獲得していました。
しかし、少子高齢化が進む日本では市場が縮小しているため、新規顧客の獲得よりも継続的かつ安定的な売上の確保が期待できるリピーターの増加に重きが置かれつつあります。このような背景から、既存顧客のリピーター化に有効なCRMマーケティングが注目されています。
さらに、近年のインターネットの発展やスマートフォンの普及により、顧客が自分の意志で商品やサービスの情報を集め、購入に至るケースが増えました。こうした顧客の行動や意識の多様化に柔軟に対応し、顧客一人ひとりのニーズに合った的確なマーケティングを可能にするCRMに注目が集まっています。

 

CRMマーケティングを実施するメリット

CRMマーケティングを実施することで、以下のようなメリットが期待できます。

 

  • ・顧客一人ひとりに最適な施策を展開できるため、顧客満足度が向上する
  • ・既存顧客に精度の高い施策を展開できる
  • ・データの自動集計や分析、情報共有によって業務効率化が実現する
  • ・効率的なマーケティングを実施できるため、コストが削減できる

 

これらのメリットは集客や売上の向上につながり、結果的に企業の成長に大きく貢献します。

 

CRMツールの主な機能

CRMをマーケティングで活用する際には、ツールを使って効率よく管理することもできます。
ここでは、CRMツールの主な機能について解説します。

 

顧客情報の管理

CRMでは、顧客の氏名、性別、年齢などの基本情報から、購入履歴、過去のやり取り、アクセス履歴といった自社との詳細な関係情報まで管理が可能です。顧客のあらゆる情報を管理することは、顧客一人ひとりのニーズに寄り添った訴求を行えます。
また、これらの情報は一元管理されているため、必要な時にいつでも情報を得られ、マーケティングにも活用できます。

 

顧客分析

顧客分析とは、顧客管理機能で収集した情報をもとに分析を行うことです。さまざまな顧客の最新情報をもとに精度の高い分析が行えるため、顧客の需要を把握でき、効率的なマーケティング戦略の策定に役立ちます。
たとえば、分析によって顧客のニーズが高い商品やサービスを絞り込むことで、他者との差別化を図るためのマーケティング戦略が可能です。
また、マーケティング施策実行後に顧客分析を行うことで、施策の効果測定ができ、マーケティングの改善にも活用できます。

 

営業進捗管理

SFAほどではありませんが、CRMにも営業の進捗管理をする機能が備わっています。
たとえば、案件ごとの進捗状況や商談内容、成約履歴などの確認が行えます。このような情報はチームメンバーで共有できるため、途中で担当者が変わった場合でも引き継ぎがしやすく、営業活動の属人化も防げます。
また、CRMによってストップしている案件の有無も確認できるため、マネージャーが適切にコントロールすることで営業活動の効率化向上が期待できます。

 

プロモーション管理

プロモーション管理機能とは、顧客の属性をもとに最適なタイミングでのメールマガジンの配信や、クーポンや優待券を送る機能です。
たとえば、顧客の購入商品、購買金額、購買日などのデータをもとに、次回の購入タイミングを予測してプロモーションを行うことで、再購入や新たな商品の購入が期待できます。
また、CRMにはメールマガジンの開封率などを測定できる機能が備わっています。
そのため、実施後に顧客がどのような反応をしていたのかを確認でき、次回のプロモーションにつなげることが可能です。

 

マーケティングにおけるCRMの活用方法

マーケティングにおいてCRMはどのように活用されるのでしょうか。
ここでは、活用方法について詳しく解説します。

 

ペルソナ設定への活用

ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する架空の顧客像のことで、商品やサービスのターゲットとなる顧客の特徴やニーズなどを理解するために設定します。ペルソナを設定するときに重要なのは、理想像よりも客観的なデータにもとづいて設定することです。
また、より細かなペルソナを設定することで、顧客像のイメージが明確になり、顧客のニーズを理解しやすくなります。
そのため、ペルソナを設定するには顧客の属性や傾向、ニーズなどの幅広い顧客情報とピントの合った分析が欠かせません。CRMの活用により、企業に蓄積されたさまざまな顧客データからペルソナに必要な項目を抽出し、分析することでリアルなペルソナが設定でき、マーケティング戦略に役立ちます。

 

マーケティング手法への活用

CRMは、STP分析や4P分析といったマーケティング手法への活用も可能です。
STP分析は、市場全体からターゲットとなる市場を決め、他社との差別化を図って自社の立ち位置を明確化する分析方法です。主に自社の商品やサービスの新規立ち上げの際に用いられます。この分析では市場の細分化やターゲットの絞り込みが欠かせないため、CRMで一元管理している顧客情報が役立ちます。
一方、4P分析は「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販促)」の4つの視点を分析し、そこから得た強みや特長をマーケティングの企画や立案に役立てます。
また、4P分析は売上の伸び悩みなどの問題がある際に、分析をもとに課題を洗い出せるため、解決の助けにもなります。この4P分析のプロセスでもCRMの顧客情報を使うことで高精度な分析を可能にします。

 

既存顧客に対するマーケティングへの活用

CRMで収集・蓄積した顧客データの活用によって、既存顧客に対しても効率的なマーケティングが可能です。
たとえば、顧客情報からを顧客の属性や購買履歴、行動データなどを抽出し、分析することで既存顧客のニーズを把握し、より好みに合ったプロモーションが行えます。
また、定期的に顧客の好みやニーズに合う割引券やクーポンなどの特典提供やイベントの案内を送るといったフォローを実施することで、既存顧客の満足度を向上させ、良好で継続的な関係が築けます。加えてCRMで顧客のフィードバックを収集すれば、マーケティング戦略や商品・サービスの改善に役立ちます。

 

CRMマーケティングを活用した主な施策

CRMマーケティングを活用した施策を実施することで、売上の向上や企業の発展などが期待できます。
ここでは、CRMマーケティングを活用した代表的な施策について詳しく解説します。

 

SNSの運用

CRMツールとX(旧Twitter)やLINEなどのSNSを連携することで、企業は顧客の情報をリアルタイムに収集でき、顧客理解が深まります。
また、SNSは写真や動画を配信できるため、ブランドを印象付けるにも効果的です。特にLINEを使用する場合、メールマーケティング同様に顧客一人ひとりのニーズにマッチしたセグメント配信ができます。各顧客に合わせたメッセージやキャンペーン情報などを送ることで、高い開封率やクリック率の実現にも期待できます。
さらに、CRMであらかじめ顧客から多く寄せられる質問や問い合わせを抽出し、LINEのチャットポットに設定することで、顧客からの問い合わせを自動送信・自動応答できるため、業務効率化にも寄与します。

 

セミナーの開催

セミナーやワークショップなどの開催は、新規顧客の獲得や既存顧客の育成などに効果的です。特に企業間での取引(BtoB)では、契約や購入に至るまで良好な関係を築き、維持する必要があります。
ここで重要になるのがイベントの内容です。顧客のニーズと合致しないイベント内容では集客効果が見込めず、既存顧客も離れてしまいかねません。CRMを用いれば、多くの顧客にとって有益なイベントがどのようなものかを分析し、実施することができます。これにより自社の商品やサービスの訴求がしやすくなり、既存顧客の育成だけでなく、新規顧客の獲得にもつなげることができます。

 

メールマーケティング

メールマーケティングとは、メールを配信することで顧客とコミュニケーションを図り、見込み顧客の獲得や既存顧客との関係維持などに用いられるマーケティング手法のことです。たとえば、ECサイトで商品を購入した顧客やイベントに参加した方に対して「サンクスメール」を送信し、定期的に商品やサービスに関する「メールマガジン」を配信します。
従来、このようなメールマーケティングでは、顧客の属性を考えず、事前に用意していた内容を配信するだけでした。
しかし、CRMを活用した場合、顧客の属性や購買履歴、イベントへの参加履歴などの情報をもとに、顧客ごとに効果的な内容のメール送信が可能となります。
さらに、顧客にとって有益な情報はメールの開封率向上に貢献し、顧客満足度向上や商品・サービスの購入につながります。

 

アドレサブル広告

アドレサブル広告とは、不特定多数を対象にするのではなく、ユーザ個人を特定して広告を配信することです。自社の顧客データをリスト化して広告配信を行う手法で、CRMのデータを使用するため「CRM広告配信」とも呼ばれます。
アドレサブル広告では、顧客の購入履歴や行動情報などのデータをもとにターゲットを絞ります。
そのため、閲覧したページやサイトの訪問日時といったCookie情報をもとに一定期間広告配信を行う「ターゲティング広告」よりも効果的なアプローチができ、高い費用対効果も期待できます。
また、アドレサブル広告は自社のCRMデータを使うので、近年取り扱いが困難になっているCookieの影響を受けないというメリットもあります。アドレサブル広告に対応している広告媒体には、「Googleカスタマーマッチ広告」「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)」「Instagram広告」などがあります。

 

まとめ
CRMを活用したマーケティングは、顧客のさまざまな情報をもとに一人ひとりのニーズに沿った最適なアプローチを可能にします。それにより、見込み顧客の獲得や既存顧客との関係維持に役立つだけでなく、業務効率化や顧客満足度の向上につながり、結果的に業績向上に貢献します。
もし、自社ではCRMの実施が難しいと感じた場合にはセラクCCCにご相談ください。
セラクCCCはSalesforceの認定パートナーとして最高位のExpert認定を取得しており、定着・活用支援においてトップクラスの実績と豊富な人材(コンサルタント)を有しています。
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