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Tableau導入前に知りたい | データ分析初心者向け基礎知識

2024年04月15日

  • Tableau

はじめに
セラクのSalesforce推進部Tableau担当のUです。セルフサービスBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの普及により、以前はデータサイエンティストやアナリストといった専門家が担当していたデータ分析業務に、営業やマーケティングなどの現場担当者も関われるようになりました。しかしデータ分析の活用にはさまざまな知識が不可欠であり、導入前に把握しておきたい内容も少なくありません。そこで本記事では、これからデータ分析ツールの導入を検討する初心者の方向けに、セルフサービスBIツール『Tableau』を活用するための基礎知識について解説します。

 

BIツール『Tableau(タブロー)』とは

Tableau(タブロー)は、分析の専門知識を持たない方でもドラッグ&ドロップの簡単操作でデータ分析できる、セルフサービスBIツールです。
Tableauとはフランス語で「絵画」を意味する言葉であり、美術用語としては「壁画」と対になる「板絵・紙絵」といった持ち運び可能な絵を指します。BIツールTableauは要件を指定してからデータをグラフ形式で出力するのではなく、データ取り込みの後でデータ絞り込みやグラフの種類を変更して「絵画」のようにグラフを描き進められる操作性が大きな特徴です。

 

Tableauの中核はこの「表現する」部分ですが、機能は可視化に関するものだけではありません。データに基づいた意思決定で業務を改善していくためには分析サイクルを何度も繰り返す必要がありますが、Tableauはこのサイクルを高速化します。「データ収集」、「ビジュアル表現」と「データ分析」、「新たな知見」の獲得と「共有」、作業工程それぞれを効率化する機能を備えています。
また、Tableauを活用すれば柔軟な分析サイクル進行が可能です。たとえば「新たな知見が得られない」場合には、1つ前の「データ分析」工程だけでなく簡単に「ビジュアル表現」工程や分析に使う「データ選択」工程に戻れるため、分析サイクル全体をより効率化できます。

 


<データ分析のサイクル>

 

主要なTableau製品

Tableauの名を冠する製品は複数存在し、それぞれ別の機能を持っています。Tableauはライセンス契約を結び利用するため、個々の製品知識がなくても導入は可能です。しかし初心者向けの情報にも製品名はたびたび登場するため、主な製品の名称と基本的な情報を整理しておきましょう。

 

・Tableau Desktop
『Tableau Desktop』は、ローカルコンピュータにインストールして利用する「データを分かりやすく可視化する」ための製品です。ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、データへのアクセスやグラフ作成などデータ分析に必要な機能を利用できます。Tableauと省略した場合はブランド全体もしくは『Tableau Desktop』を指すことが多く、Tableauの中心的な製品だといえます。

 

・Tableau Prep Builder
『Tableau Prep Builder』は、ローカルコンピュータにインストールして利用する「分析前にデータを抽出・加工して整える」ことに特化した製品です。設定したデータクリーニング作業はフロー形式で表示され、作成者以外も視覚的に把握できます。また作成したフローは複製や加工が可能であり、同様のクリーニング作業を別のデータで行う場合に再利用できます。

 

・Tableau CloudとTableau Server
『Tableau Cloud』と『Tableau Server』は、分析に利用するデータソースや『Tableau Desktop』で作成したグラフ、複数のグラフで構成されるダッシュボードをサーバー上に公開して複数のユーザで共有するための製品です。Tableauを導入する際には、『Tableau Cloud』と『Tableau Server』のどちらかを選択する必要があります。
『Tableau Cloud』はTableauを提供しているセールスフォース社管理のサーバーを利用するため、サーバー管理を担当する社内エンジニアが不要であり、社内の情シス担当者への負荷を抑えたい場合や小規模事業者にオススメです。『Tableau Server』はユーザがサーバーを用意して管理する必要がありますがカスタマイズ性が『Tableau Cloud』よりも高いため、セキュリティ面を重視する業界で多く利用されています。

 

・Tableau Reader
『Tableau Reader』は、『Tableau Desktop』で作成したグラフやダッシュボードをローカルコンピュータで閲覧できる無料製品であり、WindowsとmacOSのどちらにも対応しています。
ライセンス契約していないユーザも分析結果を閲覧できるため便利ですが、セキュリティの観点から注意が必要です。『Tableau Reader』での閲覧には『Tableau Desktop』からエクスポートする[パッケージドワークブック (*.twbx)]形式のデータが必要であり、このファイル形式にはデータソースや可視化で使用した計算式もパッケージされてしまいます。また分析に使うデータを複製するため、サーバー上のデータを閲覧する『Tableau Cloud(Tableau Server)』と比べ、セキュリティリスクはどうしても高くなってしまいます。

 


<BIツールの機能と主要なTableau製品>

 

Tableauには紹介した製品のほかに、『Tableau Desktop』とほぼ同様の操作感でパブリックデータのみを扱える無料の『Tableau Public』やモバイル端末での閲覧に最適化された『Tableau Mobile』など、ユーザの利便性のために新製品が追加されています。分析準備には『Tableau Prep Builder』、データの可視化と分析には『Tableau Desktop』、分析結果の共有には『Tableau Cloud(Server)』という主要製品に加え、必要に応じてほかのTableau製品を組み合わせて利用することでより快適にデータを活用できます。

 

Tableauのライセンスタイプ

Tableauの利用には年単位のライセンス契約が必要です。ライセンスタイプにはTableau CreatorとTableau Explorer、Tableau Viewerの3種類があるため、それぞれの機能について導入前にしっかりと理解しておきましょう。

 

最も機能が豊富なTableau Creatorライセンスでは、『Tableau Desktop』と『Tableau Prep Builder』、『Tableau Cloud(Tableau Server)』を利用できます。グラフやダッシュボード作成のための機能が揃っており、レポート作成や集計結果の資料作成・共有といった業務に慣れた方やデータアナリストに向いています。
Tableau ExplorerとTableau Viewerはともに、Tableau Creatorユーザの作成したグラフ閲覧がメインのライセンスです。Explorerライセンス利用者は、公開されたデータソースやワークブックを利用できます。自分でデータ可視化に挑戦する機会がある、今後データ活用によりできることを増やしたいといった方向けです。Viewerライセンス利用者は、公開されているワークブックやダッシュボードを閲覧して、意思決定の質を向上させられます。分析結果を日常業務に活用したいプロジェクトメンバーやチームの活動進捗を確認するマネージャー、全社的な指標を知りたいCEO などデータを可視化するよりも分析結果の活用がメインという方には Viewerライセンスが最適です。

 

可視化されたデータを閲覧する頻度がさらに少ないという方には『Tableau Reader』を利用するという選択肢もあります。ただ『Tableau Reader』でグラフを閲覧するためには、『Tableau Desktop』からのエクスポートが必要でCreatorライセンス利用者へ作業負荷がかかることを念頭に、利用するライセンスについて検討しましょう。

 


<データ分析の習熟度に合わせたTableauのライセンス3種類>

 

TableauとExcelの違い

TableauをはじめとしたBIツール導入を検討する際に気にする方が多い点は、「Excelとの違い」です。Excelはデータ管理だけでなくグラフ作成に利用されている場合が多く、「多少は不便・非効率な部分があってもExcelを代わりに利用できるなら、コストをかけてTableauを導入する価値が無いのでは?」という疑問を抱く方もいます。しかし実はTableauとExcelはまったく異なる種類の製品であり、代用品にはなりません。どこが違うのか、TableauとExcelの主目的とグラフ作成手順の2視点から見た違いについて簡単に整理します。

 

TableauとExcelの主目的と機能

Tableauはデータ分析ツールであり、主目的は「分析サイクルの高速化」です。グラフによる「表現・分析」だけでなく「データ収集」や「結果の共有」をサポートする製品も用意されており、Tableau1つで分析サイクル全体を効率化できます。
一方でExcelは表計算ソフトであり、主目的は「蓄積したデータの整理」です。帳簿のような数値計算を含むデータや顧客名簿のような項目数の多いデータを、整理して管理することに適しています。アドオンを追加することでデータ分析に関連する機能を追加できますが、Excelにとって分析はあくまでも付随的な機能です。分析サイクルのなかでExcelが有用な工程はデータ収集からビジュアル表現までの範囲であり、分析結果の共有といったサポートできない工程があります。また、扱うデータの件数が多くなると分析処理に時間がかかってしまいます。Excelは表計算のためにデザインされており、分析に限って考えるなら最適化されていないために使いにくい部分がある、と覚えておきましょう。

 


<主目的の違いによるTableauとExcelの機能の違い>

 

グラフ作成手順の違いによるデータ分析作業での使い勝手

TableauとExcelのグラフ作成手順の違いは、データ分析の作業効率に大きな影響を与えます。
Excelはグラフを作成する、利用するデータをセル単位で指定してグラフの種類を選択します。つまり数値をグラフで表現する前に、グラフの仕上がりをイメージしておくことが必要です。一方Tableauは簡単なマウス操作で、接続したデータソースからグラフ作成に利用する項目を入れ替え、グラフの種類を変更できます。つまりさまざまな項目について相関性や傾向があるのか、項目選択と可視化作業を並行して進められます。
データを可視化する目的は「新たな発見に基づいて課題解決を試みる」ことです。Excelを使用する場合は、「数値から新たな発見を得たうえで、閲覧者に分かりやすいように数値をグラフに加工して表現する」ため、分析者自身の「新たな発見」に関する使い勝手は悪いといえます。

 

Tableauの強み

データ分析サイクルの各工程で実際にTableauはどのようなサポートができるのか、導入でデータ分析サイクルが大きく変わるポイントを作業過程別に紹介します。データからグラフを作成する作業だけでなく、分析サイクルの過程ごとにそれぞれ導入メリットがあるため、Tableauの魅力や強みを考える際には分析サイクル全体について意識しましょう。

 

データのビジュアル表現と分析におけるメリット

データ分析の中核である「データのビジュアル表現と分析」において、Tableauの大きな強みは初心者でも操作しやすいマウス操作中心の「直感的な操作性」です。また操作性と表現の幅広さを両立しており、フィルタリング、ドリルダウン、ハイライトなどの機能を利用してグラフをインタラクティブに操作できます。 また単純なグラフだけでなく高度な表現も可能です。たとえば、Tableauは日本の空港や都道府県などの位置情報をサポートしており、地図とデータを組み合わせて「地図上の傾向」を視覚的に表現できます。
近年ではさらなる分析作業効率化を目指し、AIを利用した機能の導入も進められています。

 

データベースとの連携やデータ収集におけるメリット

データ分析に利用するデータは、さまざまなフォーマットで管理されています。また気象データや行政データなど一般向けに公開されているデータから社内の機密データまで、利用するデータがある場所もさまざまです。分析前にこれらのデータをTableauに取り込む際の強みは、AccessデータベースやCSVファイルに代表されるテキストファイル、サーバーからのデータ接続など利用できるデータソースの種類が多いことですが、それだけではありません。
Tableauは世界的シェアを誇るCRMソフト『Salesforce』を提供するセールスフォース社が提供しており、両製品の連携がサポートされている点も強みです。Tableau側でSalesforceをデータソースとして設定すると、Salesforceで管理するほぼすべてのデータを利用できます。またSalesforce側でデータが更新された際にはTableau側で自動反映されるため、手動作業は不要です。

 

※TableauとSalesforce連携によるメリットを解説した以下の資料も併せてご活用ください。
TableauとSalesforce連携より便利に使える2つのポイント①
TableauとSalesforce連携より便利に使える2つのポイント②

 

新たな知見の獲得と共有におけるメリット

グラフを作成した後の「新たな知見の獲得とその共有」工程でのTableauの強みは、分析結果の柔軟な共有です。『Tableau Cloud(Tableau Online)』を利用する以外にも共有方法が複数用意されており、ユーザごとに異なる「利用しやすい環境・タイミング」で分析結果にアクセスできます。また、『Tableau Desktop』で作成したグラフやダッシュボードはWebページやブログ、Webアプリなどに埋め込めます。ほかにもセールスフォース社が提供するチームコミュニケーションツール『Slack』上で共有可能です。

 

Tableau導入を失敗させないための注意点

Tableauは、導入するだけで一定の効果が得られる製品ではありません。BIツール導入が失敗してしまう原因になりやすい「分析に利用するデータ」と「分析を実践する利用者の学習教育」について、導入前にしっかりと確認しましょう。

 

社内データの蓄積状況を把握する

さまざまな業務のデジタル化を進め、無理なく自然にデジタルデータが蓄積された後でデータ分析を試すことをお勧めします。
利用できるデジタルデータが少なければ、効果的な分析は難しくなります。社内の古いデータがアナログ媒体で保存されているといった場合には、分析の前にデータのデジタル化を進め、分析はデジタル化作業の進捗を見て検討した方がよいでしょう。またデータがデジタル化されている場合でも、その品質についてしっかりと確認しておくべきです。たとえば複数ファイルやアプリで管理されている、また管理者が途中で交代しているといった理由でファイル内のフォーマットが統一されていない、記録してある項目が異なるといった状態では分析には向きません。このような場合は、データ分析より前に社内のデータ管理体制の見直しやCRMのようなデジタルツール導入を進めて、分析に利用できる社内データを蓄積した後で分析ツール導入に進みましょう。

 

Tableau利用者の学習や教育体制を整える

Tableauに代表されるセルフサービスBIツール利用者の多くは現場担当者です。セルフサービスBIツールは、従来専門家が行っていたデータ分析環境をより多くの方に提供します。操作も従来のデータサイエンティスト向けの専門ソフトウェアより簡単です。しかし既存の業務にプラスしてデータ活用で成果を出すのは、データ分析にはじめて挑戦する現場担当者にとって、大きな負担になってしまいます。そのため現場担当者が無理なくデータ分析を活用できるよう学習機会を設け、社内教育の体制を整える必要があります。

 

Tableau導入前に学習を進めておきたいポイント

データ分析初心者にとって、分析ツールの操作手順と同時に「データ分析」や「グラフ作成」に関する基礎知識を覚えるのは大変です。しかしこの基礎知識が不十分なままでは、Tableauを導入しても、ツールの操作とは別の要因で効果的に活用できない可能性があります。そこで、どういった内容について事前に学習しておいた方がよいか簡単に紹介します。

 

分析目的や蓄積したデータにマッチしたグラフ選択の知識

利用する頻度の高いデータ分析方法は、業態や業務内容、立場によって大きく変わります。そのため、頻繁に扱うデータ項目やグラフの種類に関する知識が必要です。たとえば、同じ目標達成の進捗を管理するための「KPIダッシュボード」を作成するケースについて考えてみましょう。マーケティング担当者は自社Webサイトの訪問数やコンバージョン率、営業担当者は成約率や受注金額、チーム統括者はメンバー全員のKPI、経営層は全社的なデータといったように確認したいデータは異なります。
「どういった数値を利用するか」と「その数値を用いた計算でどういった分析が可能なのか」について、ある程度パターン化して整理しておけば、データのなかでどの項目に着目すべきかが直感的に見えるようになります。

 

Tableauでは多種類のグラフを利用できますが、グラフの種類と用途に関する知識の中でも最初に覚えたいのは使用頻度の高い一般的なグラフです。たとえば単純比較には棒グラフ、時系列での推移には折れ線グラフ、全体に対する割合にはツリーマップが向いています。次に覚えたいのは、使用頻度は少ないが利用目的は分かりやすいグラフです。たとえば、複数項目を同時に可視化する際には散布図やバブルチャート、レーダーチャートが有用です。
実際にTableauを導入した後で、データの可視化作業に慣れるのと並行して、徐々に利用できるグラフの種類を増やすとよいでしょう。グラフの種類については、利用目的とグラフ同士の関連性の2軸で整理します。たとえば「積み上げ棒グラフ」は通常の棒グラフで表現できる棒同士の単純な比較に加えて、棒ごとの割合の可視化になります。また、「横棒グラフ」や「100%積み上げ棒グラフ」と同様に棒グラフのバリエーションです。2軸で整理しておくことで、利用目的から選択するほか、「棒グラフを使って可視化してみたけれども物足りない」、「もう少し棒グラフと違う表現の方がよさそうだ」といった場合にも利用できます。

 

グラフの種類 利用目的 利用シーンの例
棒グラフ 単純な比較 売上比較
折れ線グラフ 時系列での推移変化 売上や人口などの推移
ツリーマップ 全体量に占める割合 市場や商品シェア
散布図 2つの観点での相関分析 得意先の購入実績額と評点
バブルチャート 3つの観点での相関分析 製品数・売上額・シェア
レーダーチャート 5 ~ 6個の項目での特性評価 食品の含有成分分析

 

ヒトの認知や視覚に関する基礎知識

データ分析では、閲覧者にとって要点の分かりやすいグラフ作成テクニックが非常に重要です。グラフ作成者は時間をかけて利用する項目や粒度を調整してデータを読み取ろうと試行錯誤し、多くの情報を把握した状態でグラフを完成させます。一方で閲覧者は完成したグラフだけを見て、情報を読み取ろうとします。グラフ閲覧前の知識も読み取りにかける時間も異なるため、グラフ作成者と閲覧者にとっての「分かりやすさ」にはどうしても差ができてしまいます。
閲覧者の負荷を軽減するために効果的なのは、「1グラフで伝えることは1つ」に絞ることです。たとえば「推移」を伝えたい場合には、グラフの左右軸に細かい数値を記載するよりも、「右肩上がり」や「右肩下がり」、「L字」といった傾向だけが分かるように、数値を省く方が閲覧者に伝わりやすくなります。また「グラフ同士を比較する」デザインは閲覧者の視点移動の距離が長くなり理解に時間がかかるため、グラフ1つで伝えることを完結させる意識も重要です。

 

ほかに、閲覧者に伝わりやすいように強調方法を意識することも重要です。どのような方法で強調すると見やすいのかは、ケースによって異なります。下の左図は強弱をつけていないデータ、右図は色と文字サイズで「9」を強調したデータです。元は同じデータであっても、表現を工夫することで見やすさは大きく変わります。

 


<把握しやすくデータを加工する効果>

 

人間が瞬間的に認識する視覚的な特徴を「視覚属性」といいます。たとえば、棒グラフは「長さ」という視覚属性を利用した表現方法です。データ量を視覚的に把握でき、事業部ごとの売上や教科ごとの平均点など、時間的な連続性のないデータを比較する際に便利です。
棒グラフを使って2つ以上の観点から比較したい場合に色相や彩度と組み合わせると効果的ですが、サイズや形状を使うと「長さ」の表現が伝わりにくくなってしまいます。このように視覚属性を意識すると複数の要素をより分かりやすく表現できます。

 


<有効な視覚属性の例>

 

契約前にTableauの操作感を試す2つの方法

Tableauを導入する前に操作感や表現力を体験してみるのも、効果的な判断材料になるでしょう。
無料で利用できる『Tableau Public』は、『Tableau Desktop』とほぼ同様の操作でグラフを作成してデータを可視化できるアプリケーションです。自分で作成したグラフやダッシュボードを『Tableau Public』に公開し、別のユーザがアップロードしたグラフやダッシュボードを閲覧できます。

 

データの可視化だけでなく分析前の準備から他ユーザとのグラフ共有まで、『Tableau Prep Builder』『Tableau Desktop』『Tableau Cloud(Tableau Server)』の3製品を使って分析サイクルをより実戦的に試したい場合は、14日間無料のトライアル版利用がオススメです。

 

Tableauの簡単なハンズオン手順

Tableauはデータ分析の練習に使えるいくつものサンプルデータを公開しています。トライアル版を利用してみる際にはこのサンプルデータを使ってデータ分析・表現を練習できます。「サンプルスーパーストア(Sample- Superstore)」はTableau Desktopに付属している架空の小売店データです。地域や顧客、商品など項目が多くて利益や顧客特徴のグラデーションのバランスもよいため、グラフ作成練習に最適です。

 

データソースへの接続

Tableau初期画面左側の「接続」ペインから、参照するデータソースをクリックして「サンプルスーパーストア(Sample- Superstore)」をはじめとするサンプルデータに接続できます。

 


<Tableau初期画面>

 

グラフ作成

データソースからデータを取り込んだ後、ビジュアル表現に移ります。
画面左の項目からそれぞれ[列]と[行]に要素をドラッグするとグラフが表示されます。

 


<グラフ作成画面の構成>

 

[日付ディメンション]の▼からデータの表示粒度を変更してみましょう。
ほかにも、画面右上の表示形式からグラフの種類を変更したり、列にドロップしたフィールドを右クリックしてデータをフィルタリングしたり、さまざまな操作でデータ表現を調整できます。
「グラフをパッと見た瞬間に何が印象に残るか?」を念頭に閲覧者にとって分かりやすい表現を探してみましょう。

 


<[ディメンション]の▼から表示を変更する>

 

グラフ共有

Tableau Desktopで作成したグラフを共有する際に利用するのは[ワークブックのパブリッシュ]機能です。
Tableau Desktop でワークブックを開き、[サーバー]から[ワークブックのパブリッシュ]を選択します。[サーバー]メニューに[ワークブックのパブリッシュ]オプションが表示されない場合は、[ワークシート]または[ダッシュボード]タブが有効化されているか確認してください。

 

設定は、『Tableau Cloud(Server)』サーバーにサインインし、[ワークブックのパブリッシュ]から始めます。
パブリッシュする「プロジェクト」や「ワークブック名」、「シート」の設定以外に細かい設定も可能です。「パーミッション」ではワークブックごとにアクセス権を設定できます。また「データソース」では、データソースをワークブックに埋め込むか、「個別にパブリッシュ」するかを選択できます。

 

『Tableau Cloud(Server)』では、ワークブックだけでなくデータソースの共有も可能です。データソースをパブリッシュした場合、アクセスを許可したユーザがそれぞれグラフを作成して分析できます。

 

まとめ
Tableauを活用すれば、営業やマーケティングなどの現場担当者がデータに基づいて業務を改善できます。しかしTabelauを十分に使いこなすためには、個々のユーザがTableauに関する基礎知識を学ぶだけでなく、データ管理体制や社員の教育体制を充実させるといった全社的な取り組みも欠かせません。内部人材だけで通常業務と並行してこれらの取り組みを行うのは大変なため、専門家の力を借りたいという場合はぜひ当社へご相談ください。
当社には300名(23年5月時点)超のSalesforce/Tableau専門コンサルタントやセキュリティ技術者が在籍しており、データに基づいた効率的な活動を実現するために、Tableauの導入から日々の活用推進までお客様の状況に合わせた支援をいたします。

 

また、Tableauを導入しているものの活用が進んでいない企業さまやTableau活用の人材育成を実行したい企業さまは、ぜひTableau Data Cruiseへお問い合わせください。

 

※Tableau Data Cruiseとは
セールスフォース・ジャパンTableauと共同で企画・開発したワークショップ型の人材育成サービスです。3ヶ月でTableauの基礎知識からデータ活用の実践スキルを習得し、社内に浸透させる人材創出にコミットします。

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