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ターゲットとセグメントの違いは?それぞれの定義と決め方・基準を解説

2024年01月15日

  • Salesforce
  • MA
  • マーケ知識

はじめに
セラクCCCのSalesforce推進部のNです。マーケティングでは、ターゲットやセグメントという言葉がよく使われます。この2つは混同して使われることもありますが、マーケティング担当者としてはしっかり違いを理解しておきたいところです。本記事では、ターゲットとセグメントの違いについて解説します。ターゲットとセグメントを決めるときの基準も解説しているので、ぜひご参照ください。

 

ターゲットとセグメントの定義|マーケティング用語

マーケティング戦略で狙いたい市場を決める際に「ターゲット」や「セグメント」という言葉を用いることがあります。この2つの言葉の明確な違いを理解しないまま使っているケースもあるかもしれません。セグメントとターゲットがそれぞれどのような意味をもつのかを確認しておきましょう。

 

ターゲット(ターゲティング)とは

ターゲットとは、自社の商品・サービスの顧客層として想定するセグメントのことです。たとえば年齢と性別でセグメンテーションを行い、自社商品の想定する顧客層として「30代の女性」を選んだ場合、この顧客層のことをターゲット(ターゲットセグメント)といいます。

 

そして自社の狙うターゲットを決めることを指す言葉が「ターゲティング」です。細かい属性で絞り込んだセグメントをターゲットに設定するケースもあれば、ターゲットを絞り込まずに全ユーザ層に対してアプローチをするケースもあります。

 

セグメント(セグメンテーション)とは

セグメントとは、属性によってユーザを区分したグループのことです。区分の仕方に明確な定義はなく、年齢や性別、職業などでユーザ層を分けることもあれば、価値観や好みといった基準で区分することもあります。

 

このように特定の基準に基づいて「セグメントを作ること」を指す言葉が「セグメンテーション」です。

 

セグメントは大きく分けて、「基本セグメント」と「固有セグメント」の2種類があります。基本セグメントは、年齢や性別などどの業界でも共通して活用できるセグメントのことです。一方、固有セグメントとは特定の商品の購入頻度や食事の好みなど、特定の会社や業界でしか活用できないセグメントを指します。

 

ターゲットとセグメントの違い

ターゲットとセグメントは、どちらもユーザを区分したグループを指すため、混同して使っている人もいるかもしれません。

 

ターゲットとセグメントの大きな違いは、「自社の顧客層として取り扱うかどうか」です。

 

セグメントはユーザを区分したそれぞれのグループのことで、自社が狙う顧客層を決める「前段階」で作成するものです。ターゲットはそのなかから自社の顧客層として決定した特定のセグメントを指します。ターゲットとセグメントは、戦略立案において異なるフェーズで使用するため、明確に区別すべき用語です。

 

ターゲットとセグメントの基本となるSTP分析とは

ターゲットとセグメントについて理解するためには「STP分析」についても把握しておく必要があります。STP分析は、ターゲットとセグメントを決める際の基本となるフレームワークです。新しく事業をはじめる際や、市場に大きな変化があった場合の市場分析・戦略立案などに活用されます。

 

アメリカの経営学者フィリップ・コトラーが提唱した手法で、「STP」はセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの3つの頭文字から来ています。

 

3つめの「ポジショニング」とは、ターゲットとするセグメントにおける「自社の立ち位置」を決めることです。競合の分布状況を示す「ポジショニングマップ」と呼ばれる図を作成し、自社がどの位置に参入していくかを決めていきます。

 

マーケティングにおいては、ターゲットとセグメントだけでなく、ポジショニングの定義や方法についても理解しておくことが重要です。

 

ターゲットを決める基準となる6つの評価軸

ターゲットの決定に用いられるフレームワークにはさまざまなものがありますが、ここでは代表的な「6R」と呼ばれる評価軸を紹介します。とくに最初の4つは「4R」と呼ばれる重要な評価軸です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

市場規模(Realistic scale)

「市場規模が十分に大きいかどうか」という評価軸です。ターゲット層の母数や消費金額が多い市場は多くの利益が見込めるため、基本的に規模が大きい市場規模を狙うケースが多いでしょう。

 

ただし、市場規模が大きいとライバルも多く存在するため、あえてニッチな市場を選んで競争を避け、自社のポジションを確立するのもマーケティング戦略の1つです。

 

優先度(Rank)

優先度とは、「ターゲット層に興味を持ってもらえるか」についての評価軸です。ターゲット層から多くの関心を集められる商品・サービスなら、もし競合他社が存在したとしても多くの注目を集められる可能性があります。

 

商品・サービス自体の強みを検討することはもちろん、ターゲット層の目に留まるようなプロモーションを実施できるどうかを検討することも重要です。

 

到達可能性(Reach)

到達可能性とは、ターゲット層に「実際にアプローチできるかどうか」という評価基準です。どれだけプロモーションを実施しても、ターゲットに商品やサービスを届けられなければ意味がありません。

 

たとえばマリンスポーツ用品を扱うショップなら、内陸部より沿岸部への出店が向いているでしょう。このように、プロモーションの効果がしっかり見込めるかどうかを考慮することも大切です。

 

効果の測定可能性(Response)

各施策の「効果を測定できるかどうか」も重要な評価基準です。施策の効果を測定できなければ、目標に対してどこまで達成できているか確認できません。想定よりも成果が低い場合に素早く改善するためにも、効果測定は必要です。

 

どの施策が効果があったかを把握するためにも、狙うターゲットへの施策について「効果測定が適切に行えるかどうか」は、重要な指標の1つだといえます。

 

競合の状況(Rival)

「競合他社」について評価することも重要です。多くの場合、競合となる商品やサービスが存在するため、競合他社の数やシェアなどを考慮する必要があります。

 

たとえば自社と同じ商品ジャンルで「ファミリー向け商品」で高いシェアのある競合が存在するなら、自社は「単身者向け商品」を開発して、ターゲットが重複しない戦略を検討できます。

 

成長性(Rate of growth)

現在の市場規模だけでなく、「今後の成長性」にも注目して評価しましょう。現時点の市場規模は小さくても、これから成長が見込まれる市場なら将来的に利益を伸ばせる可能性があります。反対に、規模が大きくても成長性が低い、もしくは縮小傾向にある市場もあるため、長期的な視点で市場を判断してターゲットを検討することが大切です。

 

セグメントを決める基準となる4つの変数

セグメンテーションの際には、どのような基準を軸に市場を区分していけばよいのでしょうか。セグメントはさまざまな基準によって作成できますが、代表的な基準として「地理的変数」「人口動態変数」「心理的変数」「行動変数」の4つが知られています。

 

それぞれどのような項目が該当するのか、以下に詳しく見ていきましょう。

 

地理的変数(ジオグラフィック変数)

地理的変数(ジオグラフィック変数)は地理的要因に関連する項目で、具体的には国・市区町村・気候・文化・宗教などが挙げられます。

 

商品の売上傾向を考える際、たとえばアパレル用品や空調機器などは気候、食べ物やお酒は文化や宗教の影響を受けると考えられ、地理的変数の考慮が必要です。

 

人口動態変数(デモグラフィック変数)

人口動態変数(デモグラフィック変数)は、年齢や性別といったユーザ属性に関連する項目です。例としては、年齢・性別・家族構成・居住地・職業・収入などが挙げられます。

 

たとえば不動産業界では、「単身者用」「ファミリータイプ」「富裕層向け」など、どのような層を狙うのかを決める際に人口動態変数の項目が重要です。

 

心理的変数(サイコグラフィック変数)

心理的変数(サイコグラフィック変数)は、ユーザ個人の心理にまつわる指標です。具体的には、ライフスタイルや価値観、性格や購買動機などがあります。近年はデータ分析の技術が進歩したことで、このような定性的な項目もセグメンテーションに活用できるようになりました。

 

心理的変数は、「健康志向の人」「アウトドアに関心がある人」など、商品・サービスを売り込むセグメントを具体化する際に重要な指標となります。

 

行動変数(ビヘイビアル変数)

行動変数(ビヘイビアル変数)はユーザの行動パターンを指標とする変数です。具体例としては、購入の頻度や使用用途、商品に求めるベネフィットなどがあります。消費者のニーズは多様化しているため、このような項目も考慮することが重要です。

 

行動変数を元に戦略を立てることで、たとえば来店数を伸ばすために「売上が多い曜日に合わせてセールのお知らせをする」といった施策の検討に役立ちます。

 

ターゲット・セグメントの決定にはSFA・CRMが役立つ

ターゲットやセグメントを決めるにはさまざまな指標に基づいた分析が必要です。市場だけでなく、自社の既存顧客やリードの分析も行う必要があります。既存顧客・リードの情報が膨大にある場合、分析には多くの手間がかかってしまうでしょう。そこで活用したいのが、SalesforceなどのSFA・CRMです。

 

SFA・CRMを使うと商談開始から受注に至るまでのデータを可視化して分析でき、既存顧客の購買傾向などを把握できます。リピーターになりやすい顧客の特徴も分析できるため、セグメンテーションやターゲティングの基準となる分析を効率化することが可能です。

 

まとめ

ターゲットやセグメントは、マーケティング戦略を検討するうえで欠かせないものです。ターゲットやセグメントを決めるにはさまざまな分析が求められるため、効率的に分析を進めるためにSFA・CRMといったツールを活用するのがオススメです。
Salesforceは、幅広い企業で活用されているSFA・CRMです。さまざまな機能がある高性能なツールですが、それゆえに「導入しても使いこなせるか分からない」と迷われる方も多いでしょう。このようなお困りごとがありましたら当社へご相談ください。当社には300名(23年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍し、お客様側の視点からSalesforceのサポートサービスを行っています。効率的なSalesforceの活用を、当社のカスタマーサクセスチームがサポートいたします。お気軽に無料相談からお問い合わせください。

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