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Salesforceシステム管理者とは?権限や求められるスキル、資格を解説

2025年07月30日

  • Salesforce
  • 定着・活用
  • 設定・管理

はじめに

Salesforceシステム管理者は、システム環境を効率的に管理・活用し、企業の目標達成を支援する重要な役割を担います。本記事では、企業の営業企画・経営企画担当者、またはSalesforce担当者に向けて、システム管理者の具体的な業務内容や求められるスキル、資格について詳しく解説しています。
また、セラクCCCが提供するSalesforce導入後の運用・定着支援サービスの内容も紹介しているので、Salesforceの導入効果を最大限に引き出したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

Salesforceシステム管理者とは

自社で導入しているシステムを適切に管理・運用する役割を担うアドミニストレーターのことを「システム管理者」と呼びます。システム管理者とは、社内のさまざまなシステムを管理する担当者ですが、ここではSalesforceの管理・運用担当者を「Salesforceシステム管理者」とします。
Salesforceシステム管理者の主な役割は、Salesforceのユーザー管理、組織の設定管理、そして業務要件に合わせた設定のカスタマイズなどを実施し、Salesforceが企業の目標達成に貢献できるよう日々の運用を支えることです。ユーザーがSalesforceの機能を最大限に活用できるよう支援することも、Salesforceシステム管理者の重要な業務のひとつです。

 

Salesforceシステム管理者の権限・できること

Salesforceシステム管理者は、多岐にわたる権限を持ち、導入・運用を支える重要な役割を担います。具体的な業務は以下の通りです。

 

  • ・Salesforceの設定・カスタマイズを行う
  • ・ユーザー管理を行う
  • ・Salesforce内のデータ管理を行う
  • ・Salesforceのセキュリティ管理を行う
  • ・データ利活用の支援を行う
  • ・業務の効率化を支援する

 

Salesforceの設定・カスタマイズを行う

Salesforceシステム管理者の重要な役割として、組織のビジネス要件に合わせたSalesforceの各種設定やカスタマイズが挙げられます。これは、標準機能だけでは対応しきれない業務プロセスや、より効率的なデータ管理を実現するために不可欠な作業です。
具体的には、ユーザーが日々の業務をよりスムーズに行えるよう、画面の構成要素であるページレイアウトの最適化、入力ミスを防ぐための入力規則を設定します。また、定型的な業務の流れを自動化するフローや、複数担当者による承認プロセスなどを構築し、業務効率の向上を図ることも重要です。
これらの設定やカスタマイズによって、業務効率と利便性の向上を目指します。

 

ユーザー管理を行う

組織内のユーザーアカウントを適切に管理し、円滑な業務遂行をサポートすることも、Salesforceシステム管理者の重要な役割です。具体的には、新規ユーザーの登録や退職者アカウントの無効化、役職や業務内容に応じた各ユーザーへのプロファイルや権限セットの割り当てなどを実行します。
これにより、各ユーザーが必要な機能や情報へだけアクセスできるよう制御され、セキュリティと業務効率の両立を図ることが可能です。また、パスワードポリシーの設定やパスワードリセットなど、アカウントの安全性を維持するための業務もSalesforceシステム管理者が行います。

 

Salesforce内のデータ管理を行う

Salesforceシステム管理者は、システム内に蓄積される膨大なデータを、正確かつ一貫性のある形で管理します。具体的な業務の内容は以下の通りです。

 

  • ・データのインポート・エクスポート:外部システムとの連携や新規データの追加のために、インポート・エクスポートを適切に実施する
  • ・データクレンジングで品質を維持:重複データの削除や不正確な情報の修正を行い、データの品質を継続的に向上させる
  • ・定期的なバックアップと復旧プロセスの管理:データ損失を防ぐため、定期的にバックアップを実施し、必要時には迅速に復旧できる体制を整える

 

このように、Salesforceシステム管理者は、データの信頼性と品質の維持・向上、効率的な業務遂行をサポートするための業務を担います。

 

Salesforceのセキュリティ管理を行う

組織のセキュリティポリシーにもとづき、システムの安全性を担保することもSalesforceシステム管理者の役割です。具体的な業務の内容は以下の通りです。

 

  • ・アクセス権限や共有設定の管理:組織のセキュリティポリシーにもとづいてアクセス権限を適切に設定し、必要な情報のみが適切なユーザーに表示されるように管理する
  • ・セキュリティ設定の定期的な見直し:Salesforceの機能追加やシステムアップデートを考慮し、脆弱性がないか定期的に確認・設定を見直す
  • ・監査ログの監視と不正アクセス防止:常時監査ログを確認し、情報漏洩リスクや不正アクセスを早期に発見し、対処する

 

このように、Salesforceシステム管理者は、データの機密性と完全性、可用性を確保するとともに、不正アクセスや内部不正の防止にも努めなければなりません。

 

データ利活用の支援を行う

Salesforceシステム管理者は、データの利活用を促進する役割を担います。具体的には、経営層や各部門の業務ニーズに応じて、適切なレポートやダッシュボードを設計・作成し、リアルタイムでのデータ可視化や分析などの支援を行います。
データ分析環境を整備し、業務改善や意思決定をサポートすること、ユーザーがSalesforce上のデータを正しく活用できるよう、操作トレーニングの実施や効果的な活用方法に関するアドバイスを行うこともSalesforceシステム管理者が担う業務のひとつです。これらの業務は、組織全体のデータ活用レベルの向上を図るために欠かせません。

 

業務の効率化を支援する

Salesforceシステム管理者は、日々の業務における無駄を削減し、生産性を向上させるためのさまざまな支援を行います。たとえば、繰り返し行われる定型的な作業を自動化するために、「フロービルダー」や「承認プロセス」といったツールを活用した仕組みを構築し、ユーザーの負担軽減を実現するために必要な取り組みを実施します。
また、Salesforceの機能をAppExchangeのアプリケーションで拡張し、より効率的な業務環境を整備することも重要です。ユーザーの要望を取り入れて、業務改善につなげる提案を行います。

 

Salesforceシステム管理者に求められるスキル

Salesforceシステム管理者としての業務を遂行するためには、システムの適切な運用を支えるための幅広いスキルが必要です。

 

  • ・Salesforceを扱える技術的なスキル
  • ・Salesforceの使い方を説明できるコミュニケーション能力
  • ・障害発生時やトラブルの解決能力
  • ・最新情報の理解力や習得技術

 

Salesforceを扱える技術的なスキル

運用・カスタマイズには、Salesforceに関する技術的な知識が必要です。具体的には、リード・商談・取引先といった標準オブジェクトの構造や、Salesforceが提供する多様な機能、さらには組織の設定項目に関する深い理解が欠かせません。
また、組織のビジネス要件にあわせてSalesforceを最適化するために、数式項目・入力規則・画面フロー・プロセスビルダーなどのさまざまなカスタマイズ機能を習熟し、適切に活用するためのスキルが求められます。
大量のデータを効率よく管理するには、データローダーをはじめとしたツールを用いたデータのインポート・エクスポート、更新作業を正確に実行するための能力が必要です。

 

Salesforceの使い方を説明できるコミュニケーション能力

ユーザーがSalesforceを効果的に活用できるよう、適切なサポートを提供するためにはコミュニケーション能力が必要とされます。機能に関する質問を受けた際は、相手がスムーズに理解できるよう、専門用語を使わずに簡単な言葉で説明しなければなりません。

また、新しい機能のリリースや既存の機能に変更が加えられた際は、詳細な内容を正しくユーザーに伝え、スムーズに新しい環境を利用できるよう支援することが大切です。さらに、日々の業務においては、他部署の担当者や経営層など、さまざまな立場の人々と連携して業務を進める必要があります。

それぞれの要望を正確に理解し、適切な対応を行うための高いコミュニケーション能力が必要です。

 

障害発生時やトラブルの解決能力

システム運用中に発生する可能性のある障害に対して、迅速かつ的確に対応する能力も必要です。問題発生時には、状況を正確に把握し、システムログやエラーメッセージ、ユーザーからの情報をもとに、根本的な原因を迅速に特定する分析力が求められます。
また、Salesforceの公式ヘルプドキュメントや活発なオンラインコミュニティなどのリソースを活用し、効果的な解決策を見つけ出すスキルも欠かせません。複数の解決策が考えられる場合には、システムの状況や影響範囲を考慮し、最適な対応策を選択したうえで実行に移す判断力と実践力が求められます。

 

最新情報の理解力や習得技術

年に3回実施されるメジャーリリース(バージョンアップ)では、常に新しい機能が追加され、既存の機能もアップデートされます。Salesforceシステム管理者は、これらの変更内容を正しく把握し、自社のSalesforce環境にどのような影響があるのか適切に評価する能力が求められます。
そのためには、リリースノートを注意深く読み解き、新機能や仕様変更の内容を正しく理解するだけでなく、それが自社の業務プロセスや既存の設定に与える影響を予測する洞察力が必要です。
Salesforceが提供しているTrailheadといった豊富な学習リソースの活用は、最新の知識やスキルのアップデートに有用です。また、一定の知識レベルを証明できる資格を取得することもオススメです。
資格について詳しくは後述します。

 

Salesforceシステム管理者が持っておきたい資格

Salesforceシステム管理者としての専門性を高め、キャリアアップを目指す方にとって、関連する資格を取得することは非常に有効です。とくに、Sales CloudやService CloudをはじめとするSalesforce製品の実装および管理に関する幅広い知識を認定する「Salesforce認定アドミニストレーター」の資格取得がオススメです。
試験では、エンドユーザーが日常的に利用する機能から、システム管理者がSalesforce環境を設定・管理するために必要な各種オプションまで、広範な知識が問われます。資格取得者は、Salesforceの管理・設定に関する深い理解と、それを業務に活かすスキルを証明できます。

 

まとめ

Salesforceシステム管理者は、組織のSalesforce環境を最適に保つための要となる存在です。設定・カスタマイズからユーザー管理・データ管理・セキュリティ対策・業務効率化・データ活用支援まで、幅広い権限とスキルが求められます。必要な知識やスキルを身につけるために、資格取得を目指すのも有効です。

Salesforceの導入、運用、活用、定着でお困りの際は、豊富な実績と専門知識を持つセラクCCCにお気軽にご相談ください。300名以上(2023年5月時点)の認定コンサルタントが、お客様視点でSalesforceの定着・活用支援を行います。

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この記事の執筆者

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株式会社セラクCCC

株式会社セラクCCCは、Salesforceをはじめとするクラウドシステムの定着・活用支援を担うカスタマーサクセス企業です。
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