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Salesforce Lightningでのノーコード開発とは?できることや注意点を解説

2025年08月07日

  • Salesforce
  • 設定・管理

はじめに

Salesforceは拡張性が高く、自社の業種や業務内容に合わせて使いやすくカスタマイズできます。自社でやりたいことをSalesforceで実現させる方法のひとつが、ノーコード開発です。
この記事では、Salesforceのノーコード開発でできることや、ローコード開発との違い、ノーコード・ローコード開発における注意点などを解説します。

 

ノーコード開発とは

「ノーコード開発」とは、開発言語を一切使用せずに、アプリケーションやWebサイトの開発やカスタマイズを行う手法です。プログラミングやコーディングの知識を持っていなくても、ソースコードを記述することなく直感的な画面操作だけで簡単に開発ができます。
近年、IT人材の不足が深刻化していますが、ノーコード開発なら非ITエンジニアでも簡単にアイデアを形にできることから、注目が高まっています。

 

ローコード開発との違い

ノーコード開発と似たものに、「ローコード開発」があります。ローコード開発は、最小限のソースコード記述でアプリケーションやWebサイトを開発する手法です。ノーコード開発は開発言語を使用しないのに対し、ローコード開発は一部コードの記述が必要であるという違いがあります。
プログラミングスキルを必要としないノーコード開発は、拡張性や柔軟性が低いことがデメリットです。そのため、大規模なアプリケーションや複雑なシステムの開発には向きません。
一方、ローコード開発ではコードの記述を行えるため、ノーコード開発よりも拡張性は高いです。

 

Salesforce Lightningはノーコード・ローコード開発でカスタマイズできる

Salesforceは、ノーコード開発とローコード開発のどちらの手法でもカスタマイズが可能です。ノーコード・ローコード開発でできることの例としては、以下のようなものがあげられます。

 

  • ・オブジェクトの作成
  • ・項目の追加・設定
  • ・ページレイアウトのカスタマイズ
  • ・プロセスの分岐設定
  • ・Lightningアプリケーションビルダーでのアプリ構築
  • ・承認プロセスの自動化
  • ・レポートとダッシュボードの作成
  • ・条件付きの入力規則の設定

 

Salesforceではハイコード(Apex)でのカスタマイズも可能です。

 

オブジェクトの作成

ノーコード開発で、Salesforce内で各種データを整理して格納するオブジェクトを作成できます。
Salesforceでは取引先や商談、注文、活動などさまざまな標準オブジェクトがあらかじめ用意されていますが、自社のビジネスモデルや営業プロセスに合わせて独自のデータの格納が必要になることもあります。そのようなとき、GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)で直感的にカスタムオブジェクトの作成が可能です。入力制限や初期値、数式、項目の設定などもノーコードで対応できます。

カスタムオブジェクトの作成方法や注意点について詳しく知りたい方は、こちら(「Salesforceのカスタムオブジェクトとは?概要や作成方法、注意点を解説!」)をご覧ください。

 

項目の追加・設定

オブジェクト設定画面

 

Salesforceの項目とは、簡単にいうとオブジェクトを構成する要素です。オブジェクト内にある膨大なデータは、各項目に整理され格納されています。
項目もオブジェクトと同様、標準項目があらかじめ用意されています。たとえば、「取引先」オブジェクトには、「企業名」「住所」「電話番号」など、取引先に関する情報を属性ごとに整理できる標準項目があります。
標準項目にはないものの業務で必要な項目は、カスタム項目としてノーコード開発で作成可能です。指示に従ってユーザーが操作を進めるウィザード形式で、必要な事項を設定していくことで簡単に作成できます。

 

ページレイアウトのカスタマイズ

ページレイアウト画面

 

Salesforceのオブジェクトレコードページの表示項目や構成を、ノーコード開発でカスタマイズすることも可能です。デフォルトのレイアウト設定のまま使用しても問題ありませんが、ページレイアウトをカスタマイズすれば、不要な項目を削除したり、使用頻度の高い項目を一番上に持ってきたりできます。このカスタマイズは、ドラッグ&ドロップの簡単なマウス操作で実行できます。
Salesforceでは、ひとつのオブジェクトレコードページに対して複数のページレイアウトを作成できるので、とても便利です。作成したページレイアウトごとにユーザーを割り当てれば、権限の管理や調整も簡単に行えます。

 

プロセスの分岐設定

フロービルダー

 

ユーザーや条件に応じた画面表示・処理も、ノーコード開発・ローコード開発で設定できます。Salesforceには、独自のプロセス処理を自動化できるフローという便利な機能があります。フロー作成ツール「フロービルダー」を使用すれば、プログラミング不要でマウス操作で簡単にカスタマイズされた処理を作成できます。

Salesforceのフローやその作成方法について詳しく知りたい方は、こちら(「Salesforceのフローとは?作成方法やプロセスビルダーとの違いも」)をご覧ください。

 

Lightningアプリケーションビルダーでのアプリ構築

Lightningアプリケーションビルダー

 

Lightningアプリケーションビルダーを利用して、Lightning Experienceページを作成することも可能です。Lightningアプリケーションビルダーなら、マウスのドラッグ&ドロップ操作で直感的に作業ができます。
Lightningコンポーネントを組み合わせることで、自社に適した業務アプリケーションを作成できます。Salesforceが提供する標準コンポーネントのほか、AppExchangeで入手できるサードパーティコンポーネントの利用も可能です。
また、プログラミングのスキルが必要ではあるものの、自社の要件にもとづいたカスタムコンポーネントも作成できます。

 

承認プロセスの自動化

承認プロセス

 

Salesforceの承認プロセスは、社内の承認手続きを自動化する機能です。申請時には承認者へ自動通知され、承認の実行や承認済みの記録の管理なども一元化して行えます。
承認プロセスの入力補助や承認、条件分岐など複雑な処理も、ノーコード開発・ローコード開発で視覚的に構築できます。 承認は承認プロセスのほか、フロー承認プロセスで作成します。

Salesforceの承認プロセスについて詳しく知りたい方は、こちら(「Salesforceの承認プロセスの設定方法とは?」)をご覧ください。

 

レポートとダッシュボードの作成

レポート

 

ダッシュボード

 

ノーコード開発・ローコード開発で、レポートやダッシュボードを作成することも可能です。レポートとは、Salesforce内のデータを指定された条件で絞り込み、リストの一覧やグラフで表示する機能です。そしてダッシュボードは、レポートの情報をもとにして、データをひとつの画面にまとめて表示する機能です。
レポートやダッシュボードを活用すれば、さまざまなデータをリアルタイムで見える化でき、営業や管理業務に活用できます。

 

条件付きの入力規則の設定

入力規則

 

ノーコード開発・ローコード開発で、条件付きの入力規則を設定することも可能です。条件付きの入力規則とは、一定の条件を満たしている場合にだけデータを入力できるようにする設定のことです。
条件付きの入力規則を設定すれば、入力段階でリアルタイムにデータをチェックできるので、ユーザーの誤入力を防げます。データの一貫性や正確性を保ち、トラブルを未然に防ぐのに役立ちます。

 

Salesforce Lightningのノーコード・ローコード開発での注意点

Salesforce Lightningのノーコード・ローコード開発をするときには、以下の2点に気を付けましょう。

 

  • ・テスト環境で十分に検証する
  • ・ユーザーに事前アナウンスを行う

 

それぞれについて、具体的にどのようなことに注意すべきかを解説します。

 

テスト環境で十分に検証する

開発時には、テスト環境(Sandbox)での検証を十分に行うことが大切です。いきなり本番環境に実装すると、予期せぬトラブルが起こるかもしれません。データを適切に登録できないなどの問題が発生し、現場の混乱を招く恐れもあります。実装する際は、必ず十分にデバッグを行ってから有効化することを徹底しましょう。

 

ユーザーに事前アナウンスを行う

Salesforceに変更を加えて仕様が変わると、ユーザーが混乱するかもしれません。Salesforceのカスタマイズは即時反映されるため、前もって関係するユーザーすべてに周知しておく必要があります。
開発前に、現場にどのような影響が及ぶかを前もって想定し、事前に十分アナウンスをしていれば、現場の混乱を最小限に抑えられます。

 

まとめ

ノーコード開発やローコード開発で必要な変更を加えれば、自社の業務に合わせてSalesforceをより使いやすくカスタマイズできます。
ノーコード開発やローコード開発は、開発言語をほとんど使わず簡単な操作で開発できることが魅力ですが、時には操作に戸惑うこともあるかもしれません。セラクCCCでは、カスタマイズ方法も含めてSalesforceの導入や運用、活用、定着の支援をしています。専門コンサルタントがスムーズに悩みごとを解決しますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事の執筆者

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株式会社セラクCCC

株式会社セラクCCCは、Salesforceをはじめとするクラウドシステムの定着・活用支援を担うカスタマーサクセス企業です。
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